一筆参上 from T-補綴. jp


「二重性?二面性?」



「この世のありとあらゆるものは粒子から成り立っている。原子記号で表す事のできないものはないから、それを学べる理系の方が面白い」高校2年に進級する時、理系と文系に人数の偏りがあり経済学部志望の私を理系クラスにいれる方便だったのかもしれませんが、高校1年時の担任の言葉は今でも鮮明に覚えています。

後になって、本当にこの世のものは全て粒子だけでできているのか?と疑問に思いました。では、ヤングの回折格子実験で波の性質が表された一方で光電効果では粒子としての性質が表される「光」とは一体何なのだろうか?一つの光というものが2つの異なる性質を持っていることが全く腑に落ちませんでした。あるときは波またあるときは粒子なのか、波という性質を持ちながら粒子であるのか?つまり、光は波「かつ」粒なのか波「または」粒なのか、不思議でしかたありませんでした。様々な反論がされているようですが、少し前に光の波と粒子の二重性を可視化(観測)できたという論文(Nature Communication 6:6407(2015))が発表されたことは衝撃で話題となりました。それほど、本質的な事すら明らかになってはいなかった、できなかったのです。

光の性質を論じるときに波動性と粒子性の「二重性」という用語を使用し二重性の問題と言われますが、「二面性」とはあまり言われません。二面性とは相反する2つの性質を有することで、二重性は異なる2つの性質を有することと解釈されているのではないでしょうか。

一般に二面性は普段は出さない裏の顔があるようであまり良い印象ではなく、二重性はバイプレイヤー的なイメージのどちらかというと良い印象があります。歯科医師であり研究者であり教育者であり家庭では父親・母親でありと、その場面に応じ何重性もの役割を演じて(?)いる人も多いのではないでしょうか?自身の性質は変わらなくても周囲へ与える影響や役割,逆に周囲からの見え方や期待によっても呼び方は変わってきます。

少し見方を変えて周りを見ると、モノもヒトも今まで気づかなかった何重性もの性質を持っている事が分かるかもしれません。我々が臨床でよくお世話になっているエックス線も、光(可視光)も広い意味では放射線に分類されるので、エックス線にも未知の性質が何かあるかも?  (水頭)