
研究テーマ
本教室では、以下のような4本柱をたて、研究を進めております。
1. 従来の歯科補綴学の評価、系統的整理
2. より審美的、より機能的な補綴歯科治療の開発
3. 摂食/嚥下/言語リハビリテーション、口腔ケアに関する研究
4. 補綴歯科治療を改善するための、より生物学的・工学的なアプローチ
従来の歯科補綴学の評価、系統的整理
(公社)日本補綴歯科学会のガイドライン作成、症型分類の策定などに積極的に参加し、協力を行ってきました。また、臨床解剖学や生命科学の観点から無歯顎補綴治療学(全部床義歯学)の見直しを進め、著書、総説などの著作物を通して、様々な提案、啓発を行ってきました。現在これを元に、有床義歯,とくに全部床義歯による無歯顎補綴治療のデジタル化の研究を進めています。
より審美的、より機能的な補綴歯科治療の開発
歯科インプラント関する臨床、研究を本学では最も早くに、また全国の大学の中でも早期から取り組んできました。補綴主導型インプラント治療(パイロットホールプレパレーション)、CT・CBCTの導入と評価、即時インプラント治療の導入と評価、インプラント-天然歯間の離開、インプラント上部構造の破損、下顎骨の歪み、主機能部位の回復などインプラントの臨床的な重要な問題を早期に提起、検討してきました。現在もこの研究姿勢を堅持するとともに、各種のバイオマテリアルの開発を当教室出身の口腔インプラントセンターの教員と共同で進めています。
摂食/嚥下/言語リハビリテーション、口腔ケアに関する研究
高齢者、要介護高齢者の補綴的な問題について、口腔ケアの重要性がまだ叫ばれていない時代から、この問題の重要性に気づき、デンチャープラークコントロールや舌機能の面から研究を行ってきました。あわせて、カンジダバイオフィルムに関する研究、摂食・嚥下機能のスクリーニング検査に関する研究なども行ってきました。さらに現在は、口腔機能と脳機能との関連、口腔機能の加齢変化、食塊形成の観点から研究を進めています。
補綴歯科治療を改善するための、より生物学的・工学的なアプローチ
金属アレルギー発症の分子メカニズム、力学的刺激に対する分子メカニズムなど補綴歯科治療に関連した重要な問題を分子レベルで明らかにすることに取り組んでいます。フェムト秒レーザーによる補綴装置に対する微小加工の研究、青紫レーザーに対するチタン表面改質など先端的な工学機器の補綴的応用に取り組んできました。